Advanced CMT

ここのところ冷え込みが厳しいですが、引続きIDFネタです。Sean M. Maloney(主席副社長兼モビリティ共同事業本部長)さんの講演も面白かった様子です。

同氏は、2〜3年後には携帯電話はカメラ対応、動画再生可能、ローカルストレージ搭載、ハイスピードネットワークに接続可能なデバイスとなるので、シームレスにノートPCと統合できる点が重要であると述べた。
(「モビリティ、デジタルホームのコンセプトPCが登場」)

大賛成です。Intelはこのための「One Button Connect」という技術を開発したそうです。Intelの場合、こうやって開発しても、どうやって市場に出てくるのか(出てこないのも含めて)は、分からないのですが、必要な技術なので、ぜひ詳細を公開して欲しいです。ところで、そんな時代のフルサイズのノートPCの価値は何か。それともモバイルなPCは携帯電話(ハンドセットという箱のイメージとしての携帯電話)で良いのか。携帯電話にキーボードをつければ良いだけなら、ワイヤレスキーボードを用意すれば済む話で、なんて簡単なと思ってしまいます。
でも、携帯電話側のトレンドとして、すでに究極の組込み系マシンで安く、となっていますから、そこがすぐにWindows系に置き換わるとは考えづらい。だから、携帯電話の性能が向上しても、今使っているWindowsアプリはPCの方で動作せざるを得ない。メディアコンテンツを見るなどデータのフォーマットが決まっていて、Viewerをそれぞれのプラットフォームで開発するのはすでに現状で起きていることです。でも、Officeの様なWindowsアプリが携帯電話で動作するようになることはすぐには考えられない、という意味です。Windows系OSのスマートフォンの場合どうなるでしょうか?やはりフル機能のOfficeはすぐには走らないでしょうが、組込み系を使っている携帯電話よりは親和性は高いでしょう。
一方、OSだけでなく、熱の問題を考えても、携帯電話ハンドセットの大きさでIntelがそこそこのパワーを発揮して動くとは考えにくいのが現状だと思います。そこで、と、ハンドセットが大型化の方向に行くよりも、ハンドセットは今のフォームファクターをキープした方が有利で、PCがそれに比べてある程度の有意な機能差、性能差をつけ得る筐体の大きさをキープすべきかなと考えます。携帯電話がポケットに入れた1-2枚のコピーで、PCが鞄の中に入れる冊子丸ごと。あるいは、携帯電話が胸にさした3色ボールペンで、PCが鞄の中に入っている筆箱。そんな役割分担です。
それがモバイルなPCの役割となると、今後の(ノート)PCのフォームファクターは変わってくるかも知れません。それでも軽さの重要性は変わらないと思います。そして、液晶とキーボードのために面積が削れないとなると、鞄に入れての持ち運びやすさのためには、ある程度の薄さが大切かと考えられます。あとは、まだ利用シーンがいま一つ納得しきれていないのですが、機能としては携帯電話とそういうモバイルなPCの間でシームレスなファイル、ネットワークと画面の共有ができるべきでしょう。

ちなみに、見出しをAdvanced CMTとしましたが、「One Button Connect」がその一部というわけではありません。