Price of life

某クレジット会社のテレビコマーシャルで、プライスレスと表現されるものがあります。また、人の命はお金では買えない、とも言います。一方で、x億円を払えば人を殺す人は居るというのも、よく言われることです。それに関連して、最近、時々気になるのが、強盗殺人事件の被害額が小さくなっているような気がすることです。最近は、生命保険殺人をあまり聞かなくなって、強盗殺人のニュースだけが記憶に残っているのが理由なだけかも知れません。でも、被害額数千円の強盗致死や当逃げなど、本当に死んだ人が浮かばれないのではと、思ってしまいます。
そこで、考えるのですが、人はどの位、お金にまじめ、真剣でなければいけないのでしょうか?人を殺す位なら、数千円ぐらい諦められる場合の方が多いだろうと思います。もちろん盗る方は、もっとお金を持っているとにらんで強盗する訳ですが、それでも通りでの強盗などはせいぜい数万円までしか期待できないはずです。少し短絡的な言い方ですが、要はそれくらい命が安くなっている、と、私には見えます。ただ、それをお金の大切さ、重要性、価値が増しているとも、見られるのではないか?と思っています。数千円でも、人の命より大切だ、と。
「宵越しの金は持たない、」「金がなくてもなんとかなる」と、お金が無いことに対する恐怖心が、昔は弱かった、あるいはお金がなくても生活できる文化というか、習慣というか、が、あった。政府もいざとなれば、徳政令を出せば、蓄財競争は、また一からになり、それが実際に行われていた。それぐらい、お金の価値、重要性が軽く見られていた時代もあったと思うのです。しかし、今はお金が人間を必要以上に、しばり始めているのではないでしょうか。お金は、すばらしい発明の一つだと思いますが、完璧ではない。あるいは、お金が悪いのではなく、今の金融システムが悪いのかも知れませんが、何かが、命よりお金の重要性をより高めようとする方向へ、社会と市場を押して行っていると考えます。そして、それは、良いことではないと、思います。