Greece parliamentary election

「選挙の週末」と、ニュースになっています。フランス大統領選挙の決選投票。ギリシャの議会選挙。どちらも国民の意識を確認することは可能です。しかし、今の各国の財政危機を含めた経済情勢の不安定さは、その解決を、国民の判断だけにゆだねるには、専門的で、難しい問題です。上手に説明できているから、正しい、というわけでもありませんし、そもそも、誰にも、正解は分かっていない、未知への挑戦です。それでも、その挑戦を誰かに任せないと、いけないのです。
ここで、政治は、経済に対して、圧倒的に不利に見えます。選挙一つみても、実施するのに数週間、準備を入れればもっと時間を要します。多くの票を集めるために、妥協的で、シンプルで、見栄えの良い政策・公約に収れんしていきます。国民が実感できる成果を出す必要があります。どれも、重い作業です。一方の経済は、今や国境はありません。施策も瞬間で実施されます。ICTの力がフルに活用されているのです。各人の力(動かせるお金)に応じた戦略を各人が立てて、実行できますから、決断も早いし。小さく試すことも可能です。成功した人は大きく、強くなりやすいし、失敗した人は退場していくので、誰が信用できるか、誰に託すべきかも分かりやすい。倫理性の反映が弱い、あるいは、欠如しがちなところに不満はありますが、逆に、それが、経済を、あいまいなものを許しにくい、透明性の高いものにしています。だから経済の方が、一見、論理的だし、理解しやすいと、感じます。これらの特徴から、経済の方が、圧倒的に失敗しづらい状況になっていると、思います。
経済、政治、文化の地球上での調和・協調の仕方を、今のような国ごとから、ほかの形へ見直す必要のある日が近づいていると思います。