job-offers-to-seekers ratio

jobless rateは、世界中で有名な経済指標ですが、"有効求人倍率"なる概念は、英語圏でどれ位ポピュラーでしょうか。今年もリクルートワークス研究所が調査結果を発表しましたが、今就活真っ最中の来春大卒新人に対する有効求人倍率は1.28倍に低下という結果でした。絶対数的に見ると、就職希望者数は1.9%の増加にも関わらず、求人総数が19.8%、約14万人の減少と、なっています。
この減少に、多少なりとも組したので、新卒の方々には御苦労をかけて申し訳ない気持ちです。しかし、この冬にいろいろ検討したり、経験したりした現実から言えば、今は求人は増やすべきではない、と考えています。さらに言えば、会社の事業規模が二まわり位大きくならない限りは、現状レベルの求人を維持することを最優先すべきと考えています。これは事業規模が同じなら、いろいろな機能が順次、海外シフトしていくため、国内での職が増えないどころか、むしろ減る方向に向かい始めているからです。そして、いつ何時襲ってくるか分からない景気の谷は、来るたびに、その突然度と、谷の深さとが、激しくなっていますから、景気の良い時に、会社の体質をしっかり筋肉質にして備えておかないと、会社は次の景気の谷を耐えられません。あるいは、そこで、正社員も対象とした大規模な人員整理が必要になります。また、景気の谷でも、それなりに人を取り続けることができるようにするためにも、求人数の維持が必要なのです。昔の様な好況時に新人を取りあうという状況は、今後は起きないだろうと思います。
ですから、まずはこの景気回復期には、雇用を伴わない事業拡大が優先です。その結果として、人員増加までつなげて、国内雇用にも貢献したい、というのが、現在の戦略といえます。国家レベルの政策は、そんな会社があることも考慮して、内需・外需問わず、国内での新産業創造に向けての施策に傾けていって欲しいものです。現産業のための時間稼ぎのカンフル剤注射に気を取られすぎると、注射が切れた時に、びっくりすることになり兼ねません。
それにしても、お天気に恵まれた一週間でした。自宅周辺の散歩が大変気持ちの良い日々でした。