CEATEC JAPAN 2006

CEATEC JAPANに行ってきました。夕方に行ったので、多くの人で溢れていました。お天気が良ければ、もっと混雑が激しかったかもと思うと、うっとうしかった雨にも感謝です。
多くの人が集まっていて、高精細画像・動画がずらりと並んでいて、HD-DVDBlu-rayがあちらこちらで動いていて、いろいろなコスチュームが目を楽しませてくれて、と、さすが国内の一大イベントだと感心しました。ただ、いくつか足りないものがあるという思いも強く残っています。
まず、外国企業が足りませんでした。今、パンフレットを見返していて、CEATEC JAPAN 2006と、"JAPAN"がついていることに気が付きました。何かで、"アジアでも最大規模の"といった修飾語を読んだ気はするのですが、実際に中味を見ると、非常に国内向けでした。規模はヨーロッパ一かも知れないけれど、所詮"ドイツ国内商談ショー"の雰囲気が強いCeBitという展示会がありますが、それ以上に、展示側に国際色が少ないと感じました。入場者の国際性は展示側よりはあったのではないでしょうか。デジタルネットワークステージに、サムスンやLGの韓国勢、適当な社名(Haierなど?)が浮かびませんが、台湾・中国勢がいないので、展示会に緊張感が全然ありません。台湾パビリオンや、カナダパビリオンなど売込みブースは確かにありましたが、そういう意味ではなくて、今、世界を引っ張っている会社が、勢ぞろいというのを見たかった、ということです。多分、"JAPAN"なんて殊更つける必要は無いでしょう。CEATEC*1は、国内展示会でした。
サービスプロバイダが少ないのも、もの足りない点でした。象徴的だと思うのが、テレビ局の展示が無かったことです。(厳密には、NHKにはデジタル地上波サービスなどをプロモートするためのJEITAとの共同展示がありました。) Advanced Technologiesの展示会だから、サービス展示は対象では無いのかも知れませんが、デジタルコンバージェンスがキーワードなら、サービス抜きでは話は進まない筈です。実際、ベンダーの展示も高精細やデジタル化の進んだ機器がどのように暮らしを楽しく便利にするかを説明しており、その中ではサービスの話もいっぱい出てきます。でも、実際にそのサービスの提供主体の展示が無いわけですから、全然現実感が無く、絵本のようなふんわりした話でしか伝わってこないのです。携帯電話については、そこが少しマシでした。DoCoMoauが大きなブースの中で、彼らの夢をいろいろと紹介していました。私としては、驚くようなものは無かったですが、彼らのようなサービスプロバイダが、次世代サービスを見せてくれないと、機器ベンダーが語るサービスはどうしてもSFの様な話に感じられるばかりで、エンジニアの夢は広がりますが、世の中の夢につながりません。例えば、今回多く見られたロボットのようなものになってしまいます。
ですから、高精細やデジタルとの融合で、画像・動画がCEATECのメインなのであれば、テレビ局に、ぜひ今後の展望を、夢を、語って欲しいと思いました。そんな話があってこそ、シャープ亀山工場の4kx2kディスプレイもその価値が出てきます。(話は逸れますが、今回のシャープの箱屋として徹底した展示、"亀山工場"をブランド化した展示は、それなりにメッセージがクリアで分り易く、印象が強く残りました。) それができないのが、今のテレビ局の実力ならば、それはまさに、"放送局"でしかないということでしょう。BBTVや、Gyaoの展示も無かったですから、展示会の目的が違うと言われればそれまでです。そして、私は、今後はそんなCEATECよりは、サービスプロバイダが次世代サービスを語る展示会を探して、そちらへでかけるようになるでしょう。
最後に、もう一つ無かったと思うのが、インターネットです。端的に言えば、Yahoo!Googleがいない。あるいは、Web2.0と言われているのに、何かそんなものがあったでしょうか? 日本では、インターネット=ケイタイだったりしますから、DoCoMoauだけ見ておけば十分なのかも知れません。
という訳で、私の見たCEATECは、箱屋さんと部品屋さんの展示会で、そことユーザをつなぐ、アプリケーションプロバイダやサービスプロバイダが居ませんでした。そこまでそろってはじめて"総合展"だと思うし、展示会にストーリが出てきて、個々の(箱屋や部品屋の)展示にもより迫力が出てくると思います。ぜひ、そんな展示会になって欲しい、あるいは、そんな展示会が日本に一つ欲しい、そんな感想を持ったCEATECでした。

*1:Combinded Exhibition of Advanced Techonolgies -- Providing Image, Information and Communications