Pink

なでしこジャパンの準決勝戦の放送を見終わったところです。この興奮を書き留めるために、ブログを書いている人は、私だけではないだろうと、勝手に想像しています。フランスを相手に2対1で勝ちました。それにしても、なでしこは弱かった。70分頃から見始めたので、最初は2対0でリードしていて嬉しかったのですが、見始めて2〜3分で、様子が想定と違うことに気が付きました。もう体制は、守りを固めて、カウンターを狙う、格上の相手と戦う時に使うようなモードになっていました。そして、選手たちは足が動かず、それすらも、ままならない感じでした。見始めた時間は、まだフランスをペナルティエリアに入れることは、少なかったのですが、ボールを返しても返しても、すぐペナルティエリアの傍まで押し返されてしまう状況でした。そして、そんなボールがどんどんペナルティエリア内まで入ってくるようになり、キーパーの奇跡的な活躍により、得点されるのを防いでいる時間が続きました。10年位前の日本男子が中くらいに強くなったころ、守護神川口さんだったかのスーパーセービングで世界と戦っていた時のことを思いだしました。ついにフランスに1点返され、ペナルティキックが与えられたころは、本当に足が動いてなかったのではないかと思います。
連戦の疲れもあるのでしょうが、こんな弱いチームを、ここまで勝たせた佐々木さんは、すごい監督です。でも、その佐々木さんが、このチームをここまで弱くしたのかも知れません。勝たない作戦発言で、物議があった時、森本毅郎か、小沢遼子さんだったと思うのですが、「勝つって、怖い」みたいな話をされていました。その意味が分かった気がしました。いろんな皆さんが、おっしゃっていると思いますが、金メダルと銀メダル、1位と2位は、世の内外からの扱いが雲泥の差だそうです。だから、一度、金メダルの味を覚えると、それを失いたくないので、「勝ちにいく」ようになるのですが、時々それが、見苦しい様子、がっかりさせられる様子になることを、森本さんは、話されていたのだと思います。もちろん、勝負ですし、勝つために知恵を絞ることは、大切なことですから、今回だって、悪いことをしている訳ではありません。ただ、選手の皆さんなどには申し訳ないですが、私は試合を見ていて、面白くなかったし、こんな試合なら、見なくても良かったと、思っただけのことです。
私の勝手な想像ですが、守りを固めると聞いて、選手達は、自分でも意識していない程、後ろへ後ろへと下がったのではないかと思います。ペナルティエリアの中ですら、相手にボールを蹴るスペースを十分に与えて立っているのですから、反則が怖くてチャージできないといっても、ひどすぎた、というのが私の受けた印象でした。なでしこが、そんなに弱いチームであることを知らなかったので、なでしこジャパンの試合を見るのは初めてだったかと、感じたのですが、あとで、ワールドカップ優勝の瞬間を見ていた記憶が蘇ってきました。あの時は、ハラハラを楽しむことができた気がします。ですから、きっと一番変わった、あるいは、ハラハラするようになったのは、佐々木さんなのでは無いかと、思うわけです。もちろん、チームを勝たせたい気持ちは同じだと思いますが、世間からのプレッシャーは、圧倒的に大きくなったことでしょう。その中で、きちんと仕事をするのは、大変に違いありません。
そんなことを考えて、思い出したのが、今回の北島さんや室伏さんです。彼らは、金メダルの重みを知っており、今回も金を期待された中での試合でしたが、結局、金は取れませんでした。北島さんは、個人としてはメダルも取れなかった。でも、彼らは、失うことを恐れなかったし、それとは違う価値観のところで頑張ったように、見えます。本人たちは、悔しいには違いないと思うのですが、負けっぷりが爽やかな印象を受けてしまうのは、そういう違いかなと思いました。
ナデシコは、難しくはdianthusという単語があるようですが、pinkの方がポピュラーな様ですし、可愛くて、好印象です。