Fusion of the Internet service and broadcast service

朝夕(正確には、深夜や早朝か。)涼しさが感じられるようになり、夏もピークを越えたことが感じられます。でも、まだまだ昼間は暑い。その暑さの中、ボーっとWebをウロウロしてみて、さて今週の話題は何か、と、考えてみると、ここに落ち込んできました。
http://hotwired.goo.ne.jp/original/sakai/050809/index.htmlによると、

ここ数ヶ月の間にフジテレビ、日本テレビが相次いで放送番組のVOD配信を発表し、TBSもこれに続こうとしている。

TBSはニュースを以前から10分くらいにまとめてアーカイブしていたし、GyaOが始まってからは、ニュースバードを同様に提供していて、インターネットがメインのメディアである私は、お世話になっている会社です。最近は、いくつかのラジオ番組も生でインターネットで流そうとするなど、積極的なので、この先を楽しみにしています。
話は外れますが、TBSのインターネット(生)放送は、上手にCMをカットしています。ですから、無音の時間があります。そのうち、深夜放送みたいに音楽が入るようになるかもしれませんが、時々無音になる"放送"も面白いものです。うるさいCMが入る位なら歓迎する人も多いのではないでしょうか。
ところで、http://hotwired.goo.ne.jp/original/sakai/050809/index.htmlによれば、「放送と通信の融合」がいよいよ熱を帯びてきた、と。ちなみに、放送法著作権法がどのくらいその障害になっていたのかは、よく分からないのですが、私には「テレビ産業」側がそれを理由に融合を先送りしてきたというのが実感です。例えば、アメリカでは、5年以上前から放送を生でインターネットでも流すサービスをするTV局やラジオ局がありました。当時は、逆に技術がついていっていない感が強かったのですが、今や状態は随分良くなりました。では、これが進むとテレビやラジオがなくなるのでしょうか? ここには、実は2つの質問が含まれていると思います。1つは、エンターテイメントの意味でのテレビ番組やラジオ番組が無くなるか?、もう一つは、テレビ放送、ラジオ放送という放送技術サービスが無くなるか?です。
最初の答えは、明らかにNoでしょう。残念ながら、GyaOもコンテンツは従来の番組づくりそのままです。逆に、最近のラジオやテレビ番組もインターネットを活用しています。電話、FAXに加えて、メールでも視聴者からの反応を取りますし、Webページで副情報を流したり、スタジオが覗けたり、いろいろな融合を目指しています。http://www.future-planning.net/x/modules/news/article.php?storyid=711で、説明されているように、

企業の広告費においてネット広告費がラジオ広告費を抜いて、これからラジオ
の価値がどんどん下がるのではと思っていましたが、互いに利点を生かした
共存による価値向上を目指すスタイルが確立されそうですね。

だと思います。その中で、Webコンテンツが進化していくように、番組も進化していくでしょう。そしてその基礎は、インターネットからも出てくるでしょうが、今の番組制作者の力も大変頼りになるはずです。第一、その方が大多数のユーザに安心なはずです。
第2の質問の答えですが、これもNoだと、私は思います。多分"当分の間"といった、時間軸もいれないといけないかも知れません。また、日本だけを想定していることも、白状しておくべきでしょう。日本では、インターネットといえば携帯電話です。携帯電話でテレビ視聴、ラジオ視聴ができるほど携帯電話の通信技術が整い、端末も進化し、コストが出来上がるのにしばらく時間がかかると思うのです。この間は、例えば今の携帯電話がやっているように、TV受信機やFM受信機を携帯電話端末に組込む、デュアルモード形式になり、番組も今のデュアルモード前提で続けざるを得ないでしょう。やはり、今のテレビ放送やラジオ放送のシステムは無線を使った放送サービスについては経済性が高いのです。
一方、PCで番組を視聴することを考えると、有線インターネットの利用が一般的かと思われますから、それであれば技術的にはほとんど不満はありません。ただ、無線でのサービスはまだ弱いので、インターネットは、テレビ放送やラジオ放送のように、どこでも、簡単に接続はできません。あるいは、できた場合も、上の携帯電話程度のサービスになるでしょう。ですが、有線インターネットサービス+PCに限って言えば、これは十分今の放送インフラに対抗できる番組提供力を持つと思います。この結果、実は、CATVという有線専用の放送サービスはどんどんインターネット化せざるを得ないと思います。あるいは、HDコンテンツの配送が今しばらくの砦かも知れませんが、それが視聴者にとってどこまで価値あるサービスか、CATVをインターネット化しない理由になるかは、私には疑問です。
また、有線インターネットサービス+PCに限って言えば、「通信と放送の融合」の土台はできていると考えると、実は放送局の方々にはもっともっといろいろな番組の実験をして欲しいと思います。インターネット放送は、インタラクティブ性や、マルチストリーム性、グローバル性、今はやりのロングテール性、ソフト的に通信が制御できる部分が大きい、など今までの放送技術サービスにはなかった通信的要素、さらにその先を行く特長があるわけです。これらを活用すれば、番組のエンターテイメントを更に拡げる可能性があるはずで、そこを期待しています。
ただ、残念なことに、今の日本は、インターネットといえば携帯電話ですから、番組提供側にPC+有線インターネットに限ったサービスを提供するモチベーションはまだまだ出てこないでしょう。米国の場合は、有線インターネットのサービスレベルがまだ低い割に、コストは高いという違う条件で、やはりモチベーションが上がらないと思います。気になるのは、韓国ですね。韓国も携帯電話王国みたいですが、「通信と放送の融合」事情はどうなのでしょうか。
と、いろいろ書きましたが、実はTokyo FMがインターネットで聞きたいだけなのです。早く、実現しないかな?