NCC

少し春らしいお天気になってきました。毎朝、毎夕、富士山を拝める時期が終わりつつあるわけです。花粉を少し感じています。最近、薬や治療も増えたので、つらそうな症状の方を見ることは減った気がしますが、花粉症自身は、すっかり定着した感があります。
Neural Correlates of Consciousness (NCC)とは、「固有の感覚意識体験を生じさせるのに十分な最小限の神経活動と神経メカニズム」らしいですが、要は脳内で意識/クオリアが存在しうる場所らしいです。そして、脳の研究において、このNCCの領域をできるだけ狭めて、脳内のどこで意識が発生?活動?しているかを明確にしようとするために、考えられた概念と理解しました。でも、上手くいくのでしょうか?脳の意識 機械の意識 - 脳神経科学の挑戦 (中公新書)を読んで、また、脳の研究が進んでいることを理解しました。
脳の意識 機械の意識 - 脳神経科学の挑戦 (中公新書)
脳がニューロンの塊であること、ニューロンと脳の統合の思考実験などから、意識というのはかなり私的な反応だということが分かりつつあるのでしょう。進化の結果として、今の人間が、残っていることから、今の脳の仕組みが優れているのは間違いないですが、チンパンジーにしろ、ラットにしろ、マウスにしろ、かなり似た構造の脳を持っているようです。そうすると、人間にだけ意識や「考える」があると考えるのには無理があるように思います。高度な意識、低度な意識、というのはあると思います。だから、NCCも、あるとしても脳ある生物に全てあり得る、はっきりではなく、ぼんやりとしたものになるような気がしています。最終章の「意識の機械の脳への移植」に関する話を読めば、やはり私のような素人が思いをめぐらしても限界があることがはっきりしました。この渡辺先生、他の皆様の研究の進展を、今後も楽しみにしたいと思います。