W-ZERO3

WPC Expo 2005にでかけてきました。お目当ての一つはW-ZERO3に触ることだったのですが、Willcomのブースでも、Sharpのブースでも、長い列で、諦めて帰りました。でも、なぜこんなに注目されているのでしょう?
私のお目当ては、親指キーボードでした。ブラックベリーSidekickを使うアメリカ人を多く見かけたので、日本人にはどうなのか?期待してでかけたのでした。いただいたパンフでは、Spaceバーが小さくてかな漢字変換は慣れが必要に見えます。特に私は普段キーボードでは、右手でSpaceバーを叩く場合が多いので、”なぜ左なの?”と思ってしまいました。いずれにしろ、使ってみないことには、何ともいえません。そのうち店頭にも出回るでしょうから、その時までのお楽しみ。親指キーボードについては、それなりに普及しているように感じますが、最近こんな記事もありましたから、まだまだ将来は見えません。
さて、パンフレット*1では、まず表紙に、

  • 携帯もPCもいらないオール・イン・ワン端末 / 第3のコミュニケーションツール

とあります。多分、携帯、PCに次ぐ"第3"なのでしょう。そして、最初に開いたところに、

  • 快適な文字入力を約束する、ハードウェアキーボードを搭載。

とあります。やはり、親指キーボードが目玉の機能ということでしょう。それ以外は、日本に既にあると思う、私の感覚と(勝手にですが。)一致します。次のページは、

アプリと電話機能の切替は、Windows Mobile 5.0 の機能だと思うのですが、違うでしょうか? Windows Mobile 2003の頃には、Phone Editionがあり、携帯電話として使うための基本的な機能はサポートされていました。Willcomだと、データも音声も定額なのは、安心で嬉しいです。さらに次は、

  • PHS(面)と無線LAN(点)。自由で贅沢な通信環境がここに。

"高速データ通信なら無線LAN"、"ストレスなくデータを受け取れます。"などの言葉も見られます。でも、このサイズのデバイスに、WiFiの高速性が本当に必要なのか? について、微妙な気がします。このW-ZERO3でも解決できていない、あるいはアンバランスを感じるのは、まさにこの辺りです。でも、それは、Willcomのせいではなく、PDAというセグメントの商品が持つ問題だと思います。Windows MobileVGAサポートになってから、ほとんど使っていないので、WebやWordドキュメント利用の利便性を実感はしていませんが、XGAでも不満を感じるPCユーザ(というより、私)の視点からすると、まだまだPCというよりは、携帯に近いものだと思います。ですから、WiFiの使い道はPCとの間のAutoSyncがメインになるかもしれません。また、相変わらずWindows Mobile機の消費電力は大きい様*2ですから、Always On / Always Connectedは、PHSを使っていてもまだ厳しい様な気がします。そうすると、この辺りは使用感が携帯より落ちてしまうことになるのではないでしょうか。結局、表紙にある"携帯もPCもいらないオール・イン・ワン端末"の筈が、実はPCと携帯に加えた"第3"のデバイスになって、今までのPDAと同じになってしまう気がします。
パンフレットにはもう一ページあります。

  • ビジネス文書をどこででも閲覧、編集。

Windows Mobileの機能そのものです。親指キーボードだと、Word文書や、Emailがどれ位扱い易くなるか、気になります。
結局、私には親指キーボードの日本語版が気になるだけで、あとは従来のPDAを越えるものは感じられません。せっかくのエッジ的な定額データ通信機能が、このツールではあまり活きない気がします。逆にデータ処理機能がしっかりしている分、データダウンロードなど、Web画面より圧縮の難しいコンテンツが多く流れて、Willcomのビジネスにネガティブなインパクトがあるのではないでしょうか。もっと、Blackberryの様にメールに特化するとか、通信機能はデータ専用で、音声はSkypeを使うことにして、電子メール−チャット−電話を融合するようなツールに仕上げるとか、Willcomだからできるユニークな尖ったものが見たかった気がします。
親指キーボードが、メールを打つのに、今の携帯よりどれだけ快適か。については、試用することができたら、また感想を書こうと思います。
それにしても、ネガティブな話になってしまったでしょうか?気持ちは頑張れWillcomなのですが。。。

*1:W-ZERO3の実物大サイズで12ページの冊子タイプのものです。裏表紙裏によれば"本チラシの内容は、2005年10月現在のものです。"とあります。

*2:Specには、連続通話時間約5時間、連続待受時間約200時間、とありますが、これは内蔵PHSカードの仕様だと思います。